2012年02月20日
平成23 年度全国女性建築士連絡協議会 アピール
社団法人 日本建築士会連合会
女性委員会
全国女性建築士連絡協議会は、第1回目を平成2年に東京で開催し、その後各地域で毎年継続しながら
参加者数も年々増加し、今回で第22階目を迎えました。今年度は、昨年3月11日に東日本をおそった大震
災を考慮し、連合会女性委員会で、7月開催予定の全国女性建築士連絡協議会を、中止すべきかどうか協
議しましたが、2年も前から熱心に準備を進められていた京都大会実行委員会の熱い想いにより、開催時期
を延長し今年2月に開催することとなりました。本来なら7月に開催される大会の時期に、連語介助性委員会
では、被災地の皆さんに建築士として応援できる事はどんな事なのかと、宮城県仙台市・石巻市を訪問しまし
た。今年度は、当初予定してきたテーマに、大震災の報告を加えて「景観まちづくりからコミュニティーの再構
築へ ~京都で考える 日本のまちと暮らし」というメインテーマを揚げ、この22年を振り返り、また大震災で
打撃を受けた日本の未来を、皆で心をひとつにして建築士であり、女性であり、生活者であ視点が地域社会に
今こそ求められている、という新年を持ちながら、支え合いを考える記念すべき協議会にいたしました。
1 日目は、全体会として、約500 名が集まり、基調講演と東日本大震災の現状報告を行いました。基
調講演は、京都大学大学院工学研究科高田光雄教授をお迎えし、「京都の景観政策地域のまちづくり活動
の流れ」というテーマで、景観政策とまちづくり両者の関係において、具体的な事例を交えてお話を頂きました。
東日本大震災の現状報告では、岩手県建築士会・宮城県建築士会・福島県建築士会より3名の代表発表者に
よる現状報告を頂きました。
2 日目は、フィールドワークと分科会を合わせた形で開催しました。例年通り掲げている8つのテーマ
を、A コースからH コースの京都のまち歩きフィールドワークと合わせ、各テーマ別の分科会において
は、全国の発表をもとにそれぞれ熱心に協議・検討を進めました。
それらの成果として、以下の点を今年のアピールとして発表します。
1. 私たちは、今回の協議会を通し、女性建築士として、生活や地域に密着したきめ細かい実践活
動を行う専門家として、これからも一丸となり、より地域の実情に即した「くらしづくり」=
コミュニティーの再構築を提案していきます。
2. 私たちは、今回の基調講演を通して、女性建築士の役割・社会的責任の大きさを再認識し、こ
れからの将来を考える地域社会の中で、住民・行政・事業者の連携を、サポートしながら、専
門家として、地域の暮らし・まちなみの景観・豊かな住環境づくりの主体となり努めます。
3. 私たち女性建築士は、継続的な活動を通して、美しい風土や、文化を守り、専門家と生活者の
双方の視点からの提案や提言によって、子どもや高齢者が安全で安心な生活がおくれる持続可
能な社会の実現を目指します。
4. 私たちは、東日本大震災の報告を通し、地震・津波・原発の甚大な被害の恐ろしさを、風化さ
せてはならないことを再確認し、女性建築士のしなやかな特性を生かしたネットワーク(絆)を更
に深め、次世代への環境と命を守るため、低エネルギー社会の構築を目指します。
以上