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建築士会について

Doシリーズ No.66 現代建築を巡る~びわこ湖北寮~

2014年11月10日(月)

2014.11.8  報告

 

 さる11月8日、戦後建築界の代表的存在であり、経歴、その作風から「モダニズムに背を向けた哲学的建築家」と呼ばれた白井晟一氏の遺作である“びわこ湖北寮”の見学研修会を開催しました。ヒノキ新薬株式会社所有の研修・保養施設として使用されている建築物です。一般公開されていないこともあって、参加者36名、うち会員外7名という関心の高さに、有意義な見学会を開催できたと自負いたしております。
 ご参加頂いた方々の年齢層は幅広く、各々の目線や観点で熱心にご見学頂きました。
 198410月竣工、RC造、地下1階・地上2階の建築物で、琵琶湖に向かって翼を広げたようなL字型をしています。国定公園第2種特別地域内での建築という特殊な条件の中、外装に用いた青いタイル、ペルシャンブルーのそれは30年たった今も何の遜色も違和感も無く、丸味を帯びた外壁形状と相まって、奥琵琶湖の地に優しく馴染んでいました。片翼の先端に位置する食堂からは竹生島を眺望でき、夜になると月光に照らされて揺らぐ湖面が眼前に広がるそうです。景観・自然採光を巧みに取り込み、象徴的でありながら居心地の良さを演出している内部空間構成は学ぶところが多々ありました。

 また、建築主がこの建築物にいかに愛情をもって大切に使用されているかが、洗練されたインテリアエレメンツから感じ取れました。
 このような内部見学研修会を快くお引き受け下さいましたヒノキ新薬株式会社さまにお礼申し上げます。

M.I

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