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このこだわり住宅は、名古屋で歯科医院を開業している施主が、故郷(東近江市)に田舎暮らしのセカンドハウスとして建てられたものである。
この建物はできるだけ環境に負担をかけない生活の場づくりへのこだわりであり、いわゆる循環型エコ住宅のモデルである。
現代社会が求めている地球環境の改善と保護、そして予告なしに訪れる自然災害時のライフラインの確保等に配慮されたまさに時宜を得た作品である。特に、建物の木材は県が勧めている「木の香る淡海の家推進事業」から柱100本のプレゼントを受け、他の素材は大半を県内産材というこだわりで、日本の伝統工法を各所に十分活かした住まいづくりである。その中で時代の先端をいくエコ機器を適材適所に駆使したこだわりの循環型エコ住宅である。例えば、太陽熱発電パネル、太陽熱温水器の設置による電力、温水の確保、汚水のバイオ処理については生活雑排水と、し尿処理から出る液肥料の活用、また井戸水の利用は生活用水の確保と人工降雨装置による屋根の冷房、その他自然風土に順応した各室の仕上げと移動間仕切の対応、また薪ストーブによる輻射熱の対流暖房等徹底したエコへのこだわりである。
このこだわり住宅は、工事予算は相当割高となっているが、環境こだわり県の滋賀の住まいづくりに一石を投じたことになろう。BBCの電波に乗って県内外に発信することにより、循環型エコ住宅への関心が益々高まることであろう。
審査委員長 本城 博一