女性部主催のDoシリーズNo.52は、去る11月27日~28日の1泊2日で滋賀県の誇る世界遺産比叡山延暦寺 西搭・東塔 研修道場「居士林」にて行われました。
当日は女性6人男性7人の計13名の方がご参加いただきました。滋賀県建築士会以外にも大阪士会や一般の方もご参加いただき、大変有意義で厳粛な時間を過ごしました。
一日目は入所式後、坐禅止観の解説・実習(約10分)、非食(=夕食)、法話、開浴(=入浴)と続き、午後9時には放心(=就寝)でした。
二日目は午前5時に覚心(=起床)、15分で身支度を整え真っ暗な中釈迦堂へ移動、坐禅止観(30分)、浄土院参拝、作務(=清掃)、小食(=朝食)と居士林の方の指導の下行われました。その間一切の私語は禁止、食事も無音でしなければならず、不慣れな私達には少し厳しい時間でした。
その後建築士会らしく建物研修となりました。延暦寺の小林氏の説明の下、非公開の天皇の迎賓館「大書院」の特別拝観、国宝の根本中堂を見学しました。「大書院」は、大正5年東京赤坂にて当時の「たばこ王」村井吉兵衛氏が巨万の富を投じ、ふたつとない良材を用いた純日本様式の建築物です。これを昭和3年、比叡山山頂の来賓接待の場所として使用するため東京から移築されました。八間無節の北山杉や屋久杉の戸板、ベルギー製の両面磨き透明平ガラスの戸等、贅の限りを尽くした建物となっています。普段は決して公開されることない建物を見学できた事は、参加者にとっても貴重な体験になったと思います。
最後の食事は正食(=昼食)で、煮込ご飯と汁物・漬物でした。完全な精進料理で出汁に使用した昆布をご飯の具に使い、ゴミを出さない様考える等エコにも貢献しているという事でした。
お坊さんのお話の中では、比叡山は建物のみではなく、自然やそこにいる生き物、修行をする僧侶の姿など全てを含めての文化遺産であるという話が印象的でした。また、仏教の教えは人の心を育てる事が大切で、坐禅止観は身を整え、息を整える事で、心を整える事につながるのだそうです。
午後1時半の退所式終了後のお茶会では、非日常体験を行った辛さや坐禅の清々しさについて皆と語り合いました。皆様 お疲れ様でした。