2月26日天候にも恵まれ、Doシリーズ57回目の研修が参加者34名で行われました。今回は大阪ガス株式会社の協賛をいただき恵まれた研修となりましたが、さらにうれしいサプライズが加わりより充実した内容となりました。F.L.ライト研究の第一人者でいらっしゃる谷川正巳先生がこの事業をお知りになり案内役を申し入れてくださいました。先生は、滋賀県で教育を受けた者として同県に恩返しが出来れば…とお考えになられたそうで、その幸運をグッドタイミングで私達がいただけた事に感謝いたします。
最初の見学地、遠藤新の旧甲子園ホテルは、武庫川学院の所有となり、甲子園会館として今も使われ続けている建物で、武庫川女子大の建築学科が学び舎としています。ここでは、庶務課の森崎さんに熱心で丁寧な説明を聞かせていただき、建築科の新校舎も見学させていただきました。「建物も教材の1つです。」と語られたように、日々触れる事で無意識の内に磨かれる空間の感覚や、整った学習環境にうらやましさを抱きながらも、10年、20年後の建築業界に大きな期待が膨らみました。
昼食をはさみ、次はヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)の見学です。
バスから遠目に眺める建物は、周囲の豊な緑に融け込みながらも存在感があり、いやでも期待が高鳴ります。谷川先生には、建物を眺めながら玄関に到着するアプローチ手法・大谷石をふんだんに使用した豊かな雰囲気の演出・丘陵地の自然と一体化をはかられた建物断面形の妙等々、詳しく解説をしていただきました。また、歩きながら、食事をしながら、移動中の車内で等、時間を惜しむようにいろいろなお話をしてくださり、ライトの人となりについても興味深いお話を多く聞かせていただきました。
「ライトは日本の影響を全面的に否定しているが、最高傑作の1つ「落水荘」は、日本に来なければ出来なかったでしょう」と言われた言葉を聴いて、日本文化を誇らしく思ったのは私だけではないと思います。この見学に参加して、その建物を愛して止まないファンが生まれるすばらしさに触れたように思えました。森崎さんの説明の端々に強い愛情と誇りを感じ、「真実として認めるのならば、証拠を探しなさい。それを見つけたときの喜びは格別ですよ。」とおっしゃりながら、嬉々としてライト研究に勤しまれている先生に、敬意を表し、私たちもいつまでも好奇心旺盛でありたいと思いました。
ディリバ千里では、みんなの感心事である最新のエネルギー事情の研修を行い、技術の進歩や環境への取り組みを学習する中で、LPG圏内で暮らしている者として都市ガスの普及が待ちどおしく思えました。
一日研修にしてはちょっとハードな所もありましたが、充実した研修となりました。ご協力頂きました皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
(河島美智子記)