HOME > 活動報告 > 第34回全国女性建築士連絡協議会 やまがた 報告
建築士会について

第34回全国女性建築士連絡協議会 やまがた 報告

2025年07月20日(日)

令和7年度 第34回全国女性建築士連絡協議会 やまがた 参加報告  

 7月19日、20日の2日間、山形市の山形テルサにてWEB併用で開催されました。テーマは、「山形から発信 みらいへつなぐ木への挑戦」~雪・山・川が織りなす食文化と共に~ 滋賀からは3名が現地参加、2名がWEB参加しました。

(1日目)

まず、山形県から令和6年7月に発生した酒田市を含む山形県北部の記録的豪雨災害についての報告、石川県から令和6年1月の能登半島地震と同年9月の奥能登豪雨の被害の実態やその後の取り組みについて、また福島県からは女性委員会と青年委員会合同による建築士のつどいの報告が行われました。さらに兵庫県からは阪神・淡路大震災から30年が経過して、これまでの建築士会の活動や最近の動きと共に、一建築士として関わってこられた多くのことを報告していただきました。

 基調講演は、木造建築の可能性をメインテーマとして、「ウッドチェンジからウッドリターン的理由」について、瀬野和弘+設計アトリエ一級建築士事務所主宰 瀬野和弘氏、「山と地域と未来をつなぐ架け橋」について、一級建築士事務所 鍋野友哉アトリエ/TMYA主宰 鍋野友哉氏のお二人にご講演いただきました。私たち建築士として知っておくべき内容が盛り沢山の、大変貴重で興味深い講演でした。

 そして1日目の締めくくりとして、会場を移動しての大懇親会。北海道、青森、栃木、岐阜、奈良、山口、大分の方によるワンバイワンという1分間の活動報告が行われ、山形県の方々が様々な催しを行ってくださり和やかな時間を過ごしました。

 (2日目)

 以下7つの分科会が行われました。

 A分科会 自分ごととして「避難所運営」を考える~避難所運営ゲーム(HUG)実施を通じて

 B分科会 古民家復権作戦

 C分科会 ちびっこ『ちょこっとプランニング』

 D分科会 「介護保険制度における住宅改修の適正化に関する業務」について

 E分科会 建築士の役割を一般の方にわかりやすく伝える/林業木材産業と協働の中で

 F分科会 建築士としての「防災」を今、考える

 G分科会 伝統と未来をつなぐ古民家再生

 その中のいくつかをご報告します。

 A分科会( zoom参加から)(自分ごととして「避難所運営」を考える~避難所運営ゲーム(HUG)実施を通じて)

北海道建築士会では東日本大震災をきっかけに防災について取り組みされており、HUG体験会や防災備蓄品の試食会を行ってこられました。『災害0次の持出品』として、いつものバッグに外出先で災害などに遭っても少しでも役に立つよう、ポーチに入れられる物を女性目線で考え試作品100個を専門家の意見を取り入れて作成されました。自分のバッグにも入れておきたいなと感じました。 鳥取県建築士会は、鳥取県西部地震をきっかけに防災に取り組まれてきました。防災への意識はあるけどなかなかどうしたらいいか分からない敬遠されがちということで、一般の方と共に気軽に参加いただけるようワークショップを開催して、DIG(災害図上訓練)HUG(避難所運営ゲーム)を行ってこられました。 今回、このHUG(避難所運営ゲーム)を会場参加の方だけでなく、zoom参加の人達5名もzoomで参加いたしました。zoomで出来るとは思ってなかったのですが、進行いただきました鳥取建築士会の村越さんにてスムーズに進めていただき、楽しく学べました。画面に学校敷地の配置が写し出されて、その中に避難所運営するにあたり、通路はどこにどれだけ設置する?受付はどこに配置する?避難されてきた家族構成が与えられてどこに配置する?報道陣は?ペットは?車の中で避難しておきたい人は?等、色々な課題を与えられてオンラインのグループ内でお話して決めるという時間もあっという間で、避難所運営で待ち受けている課題をわかりやすく学べました。

  B分科会 (古民家復権作戦)

(コメンテーター:仙台市の阿部和建築文化研究所の安井妙子氏)

古民家の品格を損なうことなく、寒くない古民家修復の断熱気密の手法について、実際に修復設計をされました 白川郷合掌造り迎賓館「好々(こうこう)庵(あん)」(村営宿泊施設)の事例をもとに、その手法等についての分科会講演でした。外観は、変えることなく古民家そのままで、内部側にて暖房間仕切りパネル等での建築設備による、温かさとおもてなしの心で宿泊客を迎え入れるという相互の関係で、更にその効果を大きく引き立たせることができた事例として発表されました。

 

その後、各分科会の報告と全体総評、最後に全建女アピールを持って終了となりました。

今回の協議会に参加して知り得たこと、他の都道府県の取り組みなどを今後の委員会活動に活かして行きたいと思います。

[ 記事一覧へ戻る ]


ページ先頭へ