施主の住まいづくりへのこだわりは、現在の自然に囲まれた好環境に自然と共生できる住まいをどう造りあげるかがテーマであった。
現地は比較的緑豊かな環境で周辺の景観も実に素晴らしく、これを建物とどう共生させるかが設計のポイントであった。
「光と風」を十分に享受でき、この恵まれた自然を如何に建物に取り込むかという点で配慮された平面計画は高い評価を受けた。
各室の開口部を可能な限り大きくとった開放感のある外部デザインは自然との共生に一役買っている。
屋外庭園からリビングにつながるウッドデッキが、建物と自然とを有機的につないでいる。
各室の大きな開口部からの眺望は四季折々の季節の移ろいを家族にいち早く伝えることだろう。
既存のフェンスに地元甲賀産の杉板を張った塀も周辺の環境のレベルアップにも貢献している。
「環境こだわり県」で施主のこだわりの思いが見事に実現した立派な作品である。
“うるおいのある自然環境はぬくもりのある人の心を育てる”
審査委員長 本 城 博 一
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